~万物の生命を舞う観音~上村なおかのダンスに想う

 

 

9月8日(木)
 
渋谷「公園通りクラシックス」で開かれた即興コラボイベント《 ムゲン即興 Vol.2 ー融合ー》で、
ダンサー・上村(うえむら)なおかさんのダンスを久々に見る。
上村さんは、2017年3月に、『ダンス、あるいはカラダと書』と題したスペシャルワークを
SOGEN書芸塾ARCで行っていただく予定の世界的ダンサー。

 

彼女は「舞踏」ではなく「ダンス」という。
そのあたりのこだわりもチラとは伺っているが、ワークの時にまたあらためてお話いただけたらと
思っている。

 

上村さんのダンス公演はこれまで何度か拝見しており、また一昨年に東中野のパオギャラリーで
開催したSOGEN書芸塾ARC作品展~Feel!~のオープニングパーティーに、踊る上村さんを
SOGENが汚すという形で特別出演いただいている。

このときは同じく書芸塾の特別講師をお願いしている世界的音楽家・齋藤徹さん(コントラバス)と

喜多直毅さん(バイオリン)に即興生演奏で花を添えていただくという、大変贅沢な舞台となった。
 
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これまで、バレエ、モダンダンス、ロボットダンス、暗黒舞踏、能等、世界のさまざまなダンスを

観てきたが、上村なおかのダンスにこれほど惹かれるのはなぜなのか・・・

その謎が今夜解けた気がした。

 

それは一つには、上村さんのダンスが、たとえばロボットダンスのように

ダンサーの身体能力のスゴさを見せ付けるものではなく、その一挙手一投足が、

心、あるいは魂の奥底から自から発せられているからなのだと。

つまり、書画で言えば、テクニックを見せ付けるようなビジュアル重視の表現ではなく、

心、魂の自然な表出が見て取れる作品ということ。
だから上村さんの動きから生まれるカタチは、どの瞬間を切りとっても、彫刻であり、絵画であり、
書でもあるのだ。
また全体を通して言えば、物語であり詩であり、局所的にみれば短歌であり俳句であるともいえるだろう。

 

もちろん他のダンスにもそういったところはあるわけだが、上村さんのダンスは

観客にビジュアルとして見せるためのものではなく、動きの一つ一つがすべて、

心、魂を起点に際立って表れてくる、ということ。表すのではなく、表れてくるのだ。

 

もう一つには、上村さんのカラダの動きと、そこから生まれる瞬間瞬間のカタチが、

これまで長い歴史の中で人類が日常生活、あるいは祭事やイクサの中で

とるともなしに自然にとってきたであろう動きやカタチ、

いま現在のそれ、未来のそれを、象徴的に表しているからではないかと。

いや、もっといえば、人類にかぎらず、あらゆる生命体の動きとそこから生ずるカタチ、
情動、魂の在り様の象徴なのだろうと。

つまり、人に見せるためのビジュアルとしてではなく、人類を含む生命体の心身の振る舞いを

自らのカラダを通して象徴化しているのが、上村なおかのダンスなのではないかと。

 

今回のセッションでは音のシャーマンが表れて、これがまた、とてつもなくスゴかったのだが、

それについてはまた稿をあらためるとして、今宵、シャーマンが音を奏で、

上村なおかは観音となった。

 

書芸塾の諸氏は来年の3月のアートクラスで、観音菩薩と出会えることになる。

 

 

書芸家SOGEN/平野壮弦・公式ホームページ
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