怪物・空海に見る書芸の精神

年頭に、アメリカ在住の友人Junco Sato Pollackさんが、空海の番組動画を

送ってくださった。
Juncoさんは、アメリカの元大学教授にして染色家。
自らの作家活動のみならず、教授を務めるジョージア州アトランタの大学で

『Spirited calligraphy2010 In Atlanta(書芸精神2010 アトランタ)』を

企画開催されたりと、書をはじめとした日本、アジアの芸術文化の紹介にも

尽力されている方である。

番組中、空海の「飛白体」について、書家の岡本光平さんが解説しておら

れたが、若いころ書展をご一緒させていただいたことのある御仁で、

懐かしく拝見。

空海は怪物。
宇宙の真理を看破する超人。

以下は『精霊集(しょうりょうしゅう)』の中の言葉


書の極意は心を万物にそそぎ、

心にまかせて万物をかたどること

正しく美しいだけでは立派な書にはならない


心を込め 四季の景物をかたどり

字の形に万物をかたどる

字とはもともと人の心が

万物に感動して作り出されたものなのだ

とはまさに書芸の精神そのもの。
さすがは空海。宇宙と繋がる書芸術の本質を見抜いている。

年頭からすばらしい感化をいただいた。

空海 至宝和人生 空海揭秘唐代文化对日本深远影响【中文字幕】

書芸家SOGEN/平野壮弦 関連サイト
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韓国・大田(デジョン)大學でのSOGEN特別講義&席書揮毫風景/2016.10.31

 
 
ソウル個展の会期中、韓国・大田(デジョン)大學での特別講義のご依頼いただき、行ってきました。
対象は書道学部、建築学部、デザイン学部の計約100名の学生たちで、テーマは『人・都市・自然・宇宙』。

 

私のワケのわからないアートを見て憮然としていた書道学部の教授が、文字作品を見せたところ、

「なんだ、ちゃんとした書も書けるんじゃないか」てな感じでニッコリしたので可笑しかったです。

まあ人間、自分が分からない世界に対しては不安になり、分かる世界を見せられるとホッとする、

というところがあるのでしょう。

 

日本で大学での講義を頼まれたことはまだ一度もありませんが、韓国では一昨年も

圓光大學で講義を行わせていただくなど、大学からもよくお声がけをいただき、

ありがたいかぎりです。

私が喋っただけで感動して震えている女学生も居たりと・・・笑

これはひとえに、韓国を代表する書芸家の先生たちが、「SOGENセンセイは天才であり、

書芸界のピカソだ」といった風に若者たちに伝えてくれているおかげで、

「私たちが尊敬している先生が尊敬している先生」といった眼差しで接してくれるからに

ほかなりません。

 

特に書道学部の学生は、日本もそうですが、書道を仕事にするとしたら、学校の先生になる

くらいしか道がなく、将来に希望を持てずにいる者が少なくないのが実情。

そんな中で、書にはこんなにも可能性があるのだということを実例とともに伝えることで、

何かしら得るものがあればと願いつつ、お話させていただいています。

 

 

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日本から一泊二日でソウル展を見に来てくれた書家・現代美術家の山本尚志さんのことも

紹介させていただきました。

 

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記念揮毫を頼まれ、一筆。(作品は大學に寄贈)

 

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いままで人前でパフォーマンスなどしたことはないという書道学部の70歳の大先生も

コラボレーションして書いてくださいました。

上から塗りつぶしてやろうかと思ったのですが、さすがにそこは・・・笑

こんど機会があったら、もっと学生たちと肌身で交感したいです。

貴重な機会を与えてくださった大田大學のみなさんに、心から感謝申し上げます。

またお会いしましょう!
 
 
書芸家SOGEN/平野壮弦・公式サイト
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愛への渇き

 

 

だいたい何か閃くのは散歩してる時とか風呂でくつろいでる時だったりするんだけど、

昨夜、銭湯帰りに満月を眺めながら、ふと思ったことが。

 
桜,自然,宇宙,神,愛自然は誰か特定の人に向かって愛のシグナルを送って

いるわけではなく、萬物萬人に対して等しくいのちの

贈り物を届けているのだろう。
たとえば打ち寄せる海の波を見て何か心が癒されるとか、

桜の開花に心もほころぶとかいったことがあるわけだけど、

それって自分だけのものではなくて、萬物萬人への

贈り物だよね。

 

一方で人は欲張りなものだから、そういったもの

だけでは満ち足りずに、自分だけが何か特別な寵愛

を受けたいっていう、愛への渇きみたいなものを

強く持っているような気がするんだけど、どーですかね。

 

 

 

だから、実は生まれただけでも奇跡的で、すでに天から祝福され、毎日色々な贈物を
いただいているはずなのに、そこに満足できずに、自分のことを愛し、哀れみ、救いの手を
差し伸べてくれるような、自分にとって特別な存在を希求する・・・それは親だったり、
師だったり、友達だったり、あるいは伴侶だったり、恋人だったりと。
ところが他人に頼っても、そう簡単に愛への渇望は満たされるものではないから、

普遍的な人格をもった神や仏を創造して、叶わぬ願いや心の渇きを満たし癒やそうと
してきたところがあるんじゃないかと。
そして芸術もまた、満たされ得ぬ想いや愛への渇きを癒やす術でもあるのだろうと。
人間同士や男女の付き合いもそう。
人には、他人との不用意な接触を避けながらも、精神的、肉体的に人とふれあいたいという
強い願望があるのだ。
そして、人や物事に対して感じる不平不満は、自分だけが特別に愛されたいという、
愛への渇きから生まれているところも、もしかしたらあるのかもしれない。
 

宇宙自然は大きな親のようなものであり、萬物を生み出し生かすこともすれば、消滅させもする。

また「あーしろ、こーしろ」と生き物たちに指示することもなく、アズ・ユー・ライク、

あなたの好きなように生きればいいと、野放し状態にする。

そして常に無報酬で生き物たちのいのちを支え、応援し続けてくれているのだから、
それは実はとてつもなく大きな愛の発露といえるようなものなのだが、

人間は不安になって、生きる意味を、神仏に、他人に、自らに問う。

「自分はなぜ生まれ、ここにあり、どこに向かっているのか?」と。

そのとき、「これこそが真理であり、正しい道である。」と説く人物や宗教に、

人はすがりたくなるものなのだろう。

自由を求めつつも、すべてを自分自身に委ねるのは心もとないので、

「こうしていればいいのだ」と支持されたり支配されたりすることを、

人はどこかで望んでいるところもあるのかもしれない。

 

 

 

書,書道,アート,書道教室,芸術家,孤独

書も実はそうで、自由に書くことは大きな喜びである

とともに、心もとないところもあって、

「こう書くのがいいのだ」と指示されることで大いに

安心できるところがある。

対して芸術は、人マネではなく、独自のルートで

宇宙自然の真理を探り、そこに近づく術であることから、

自由に創造する喜びとともに、広い宇宙にただ一人

投げ出された孤児のような不安や心もとなさが

常につきまとう。

所以、芸術家は孤独なのだ。
芸術家は、猛烈に愛に飢えた、孤独な旅人のような

ものなのかもしれない。

 

 

奥深い芸術ほど、愛への飢えを抱えながらも、
人間界の常識や、喜怒哀楽といった感情、人間同士の愛憎
といったものを超えて、宇宙自然の普遍的な
真理に迫りゆくものであり、萬物萬人に対して等しく
何かを発し与え続けるものなのだろう。
波の満ち干きのように・・・
樹木が枝葉を大空に向かって伸ばしていくかのように・・・
ただそこにあって、人々からことさら誉めそやされることもなく。

 

 

 

桜フォト:村上洋司さん(エナジーコーディネーター/SOGEN書芸塾ARC・2016年度特別講師)

アート作品画像:SOGENアートワーク『2012-074 Untitled』

 

 

書芸家SOGEN/平野壮弦・公式ホームページ

 

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