先般、ご紹介させていただいた「界」のロゴ書ですが、実はデザイン性の高い、
カッコいい書もお書きしたのですが、最終的にこちらをお選びいただいたものです。
で、四半世紀前に『越乃景虎』を揮毫させていただいたときも、
カッコいいスタイリッシュな書も合わせて書かせていただいたのですが、
ドッシリとした隷書体の書をお選びいただき、その時は「もっとカッコ
いい書もあるのに」と意外に思ったものでしたが、現在も代表銘柄として
お使いいただき、御繁盛されているところを見ると、大正解であったと。
私に書をご依頼くださるクライアントさんは、みなさん真剣そのものです。
書としての良し悪しや格ももちろんですが、商品が売れることが最重要課題であり、
そういった視点から実に真剣に書を見て選んでくだり、その最終形が商品という
形となって世に出ていくことになる。つまり、その書の成否は、作家のみならず、
そこに関わる多くの人々の熱意と感性、鑑識眼とにかかってくるわけです。
そして、そのような厳しい審査をくぐりり抜けて世に出たデザイン書、ロゴ書は、
社会性を有した書であるとともに、時代の最先端をゆく現代書でもある、とも
いえるように思います。
何ものにも束縛されない自由なアートと、社会性を有するデザイン書、その双方に
難しさと面白さがあり、これからも、その二世界の融合や離反を試みつつ、
より深い書道アート、デザイン書道の世界を、探り求めてイキたいと思います。
書芸家 SOGEN/平野壮弦 関連サイト
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