先のブログでも触れさせていただいた、千葉県市川市立新浜小学校、特別支援学級の
子供たちとの書芸テレワーク。
事前打ち合わせの際に、クラス担任で授業企画者の伊勢太惇(いせ・たいじゅん)先生が、
紙を真っ黒に塗りつぶしてしまう子がいるので、時間を切ってやりたいと言われたので、
真っ黒に塗りつぶすのも芸術表現だから、塗りつぶしたいと思ったなら、
とことん塗りつぶせばいいし、次に行きたければ行けるように、紙を用意して、
各自に任せたらどうでしょうか、と提案させていただいたところ、ああ、何か
まだ教師サイドの都合で子供たちを動かそうとしていたことに気付かされました、と。
そこに気付く伊勢先生が、すばらしいなと。
今回は教育関係者の方が40人ほど教室で参観されるとのことで、そういった
研究授業となれば、なお、授業者としては緊張もするし、うまくまとめたいという
欲も出てくるとは思うが、子供たちは教師がうまく授業を進めるための駒ではなく、
主役であり、教師の役目は彼らの自由な活動をサポートをしていくことにあるのだと。
従来の学校教育では、子供を未熟者と捉え、その未熟な子供たちに対し、
これが正しいのだ、と指し示して導く「指導力」というものが重視されたが、
これからの時代に教師に求められるのは、そうした模範的なリーダーシップ以上に、
子供たちに選択肢を与え、自ら選び取らせていく「いざない力」なのではないかと思う。
人生は選択の連続であり、生きていくためには、自ら決めるという意味での
「自決力」が必要である。
「いざない力」により「自決力」を養っていくことが、人類の進化発展を標榜する、
現代の教育活動における最重要課題なのではないかと思うのだ。
私事だが、この10月3日で超煙一年を迎え(禁煙はマイナスイメージなので、
超煙と呼んでいる)、友人に「お祝いに葉巻でも吸おうかな。」とメッセージしたところ、
「超煙まる1年おめでとうございます(^_^) お菓子の葉巻売ってましたよ!」
という返事が返ってきた。お菓子の葉巻って、子供だましかいと思ったのだが(笑)、
その真意がジワジワと伝わってきて、感心感動した。
つまりこれは、「せっかく1年禁煙したんだから、葉巻なんて吸うなよ!」と
否定するのではなく、代替えの選択肢を用意し、伝えた上で、決定権は本人に
委ねるという高等戦術なのだと(笑)
否定することが必ずしも悪いわけではないが、こちらが正しいと思うこと、
良いと思うことを相手に押し付けることなく委ね、自ら考え、意志決定させて
いくことで、相手の人間的な成長に繋がる可能性は高まるというもの。
これは学校教育の現場にかぎらず、あらゆる人間同士の関係に当てはまることではないだろうか。
もちろん、いつもそうはいかないだろうけれど、相手の意思を否定し、自分に従わせよう
とするではなく、意思を尊重し合うことで、人類は進化し、よりハッピーな世界を
生み出していけるものと信じている。
今回のZOOMでの書芸テレワークは、伊勢先生の見事な「いざない力」のおかげで、
ピカソが見ても唸るだろうと思われるような表現世界が、子供たちの中から次々と
生まれ、驚かされた。
またあらためて、1点ずつ紹介させていただく機会があれば幸いである。
ソウル・ドローイング(魂の線描)である書芸をもって、世界の子どもたち、
世界の人々をどんどん繋げてイキたい・・・それが私の夢であり、願いである。
書芸アート専門ギャラリー ART ROOM SHOWL
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