書道家/書芸家SOGENブログ:「書く」か、「描く」か?


友人から、書芸の「かく」は「書く」なのか「描く」なのか、という質問を受けました。

「書く」は本来、文字を書くことをいい、英語でいえばw​rite、「描く」は線や絵を
描くことなので、draw またはpaintってことになるでしょうか。
書芸の「書」は、文字を書くことに限定されるもの​ではなく、書の持つ芸術性を
根底とした芸術表現という意味です。
「書く」なのか「描く」なのかは日本語の問題になります​が、書芸においてはどちらも
当てはまると思います。
たとえば、古代文字は絵文字なので、書く、描く、どちら​も当てはまりますが、
その点、書芸も同じだと思います。
自分も書芸について文章を書くときに、「書く」か「描く​」かで迷うことがあります。
基本、「書く」ですが、「線​を描く」とも表現しています。

・・・と返事を書いたところで、おもしろいことに気づきました。
日本語でも英語でも、文字を書く、図や絵を書く、といったように、「書く」と「描く」の概念を
言葉で明確に区別していますが、他の言語ではどうなのでしょうか。
すべての言語を調べてみないとわかりませんが、おそらく、言葉を区別して使っているだろうと。
(もしご存知の方がいたら、教えてください。)
もしそうであるなら、ただ線をかく、という行為にだけ的を絞り、意味をもたせた言葉というものは、
もしかしたらこの地球上にはなく、文字、あるいは図や絵をかく、といったように、
何かしら意図されたものをかくという概念だけに言葉が与えられているのではないかと。

それに対して、書芸においては、「かく」という行為そのものに重きが置かれます。
何を書くのか、ということは、もちろん表現と無関係ではありませんが、何を、ということ以上に、
「かく」という行為と、そこから表れる表現世界そのものが意味を持つことになります。
たとえば、「翼」という文字を書くとします。書き手は「翼」という文字の意味を意識して書く
でしょうし、鑑賞者は文字を知っている人なら「翼」という言葉の意味も含めて作品を
鑑賞することでしょう。ですが、書芸において重要なのは、言葉の意味よりも
書かれた作品そのものであり、『翼』という作品名は二次的なものとなります。
それは、少々極論になりますが、もし『モナ・リザ』のタイトルが他の名前であったとしても、
作品そのものの価値は変わらないのと同じことです。
ですから、文字を読めない外国人にも、言葉や文化のちがいを越えて感じてもらえる世界なのです。
文字を書かない線描による書芸作品にいたっては、いわずもがなです。

ということで、書芸の「かく」は「書く」でもあり「描く」でもある、

新しい「かく」の概念である、ということになります。

 

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