感情、心、魂

書芸』とは何か?

『書芸』とは、生(き)の線を通して、宇宙、生命のリズム、感情、心、魂の 有り様を

象形化するアートである。

と、そう言いつつも、感情、心、魂とは一体どういうものなのか、何か違うのか、

いま一つよく分からずにきたところがあるように思う。

で、このところ少し見えてきたものがあるので、そのあたりを書き留めておきたい。

「気が変わる」「心変わりする」という言葉があるように、感情や心は常に変化する

ものである。

対して、「魂を入れ替えて・・・」という言葉はあっても、「魂が変わる」とは言わない。

つまり、魂は変わるものではなく、「三つ子の魂、百まで」の言葉の通り、普遍的なものなのだ。

そう考えると、『書芸』には、書芸アートとデザイン書の両分野があり、

書芸アートは普遍的な魂を映し出すものであり、デザイン書は情感やイメージを表し、

人々の心に働きかけるものである、ということになるだろう。

一つ作品を例に取ろう。

私は国宝となっている長谷川等伯の『松林図屏風』を書芸アートの極みと見ている。

デザイン的なビジュアルではなく、まさに素の魂を写し出した芸術作品である

という点において。

等伯が表したかったのは、松林そのもの、ではなく、松林の姿を借りた自身の魂であり、

その魂を通して垣間見た心象風景だったのだと思う。

長谷川等伯『松林図屏風』

このような素っ裸の魂を表す書芸アートに対して、デザイン書(ロゴ書やインテリア

として飾られる書)においては、化粧もすれば着飾りもする。

つまりビジュアルで見せることを通して、人の心を掴み動かす働きと役割を持つのが

デザイン書である、ということだ。

とすると、現代の日本の書壇に見られる書の大半は、どっちつかずの中途半端で、

どうもツマラナイ、と言っては叱られるだろうか。

いや、書道は貴重な伝統文化であり、芸道であるから、これを求め極めていくことは

素晴らしいことなのだが、今の書壇では、ちょっとテクニックを身に付けると、

もう書道展での賞取り合戦に参加させられて、日々の地道な研鑽が疎かにされて

いるように思われてならないのだが、どうだろう。まあ、そうしないと書壇が

商売として成り立たなくなるから仕方ない、といったところもあるだろうが。

やっべ! 書壇のことはもうどーでもいいと思いながらも、またつついちゃったよW

いや、自分を育ててくれた親のようなもんなんでね。

しかし、書道の延長ではアートにはならない、というのが自分の考え。

書道とアートは次元が違う。どちらが上とかしたとかではなく。

むしろ、書壇にどっぷり浸かった人ほど、それが足枷となって、なかなかアートには

イケないところがある。いや、自分がそうだったもんで。

アートにいきたかったら、まずは習い覚えた書法、書道のテクニックにこだわらず、

素の魂を表す方向に舵を着ること。見せるのはテクニックではないということ。

もう一つ、以前のブログで、アートとデザインは近いようで対極にあると書いたが、

アートにデザイン性を取り込む、あるいは逆にデザインにアート性を取り込むことで

新たな世界が生まれる可能性があると見ている。

たとえばロゴ書一つにも、ビジュアルとしてのインパクトのみならず、そこに魂を

込めることで、普遍的な芸術性をも内包した、デザインとアートの融合による

新たな世界を創り出していく、といったように。

あるいはアートにデザイン性を加えることで、ビジュアルとしてのインパクトを

持たせ、より人々に伝わりやすく印象深いものにする、といったように。

感情、心、魂の違いを考えるところから、いささか話がそれたが、今後とも、

そんなことも心に留めながら、書芸アート作品、デザイン書作品の制作に臨んで

いきたい。

書芸家SOGEN/平野壮弦 関連サイト


http://www.hiranosogen.jp/ (アート)
http://www.hiranosogen.com/ (デザイン)
https://www.facebook.com/HiranoSogen/(FACEBOOK)

2019年度 SOGEN書芸塾ARCのご案内

http://sogen-arc.com/img/arc.pdf




 
 

2017.2月アートクラス:『感情とカタチ-Ⅱ」/ 家具デザイナー・松岡智之さんアートワークショップ

 

 

書芸術を通した創造と交感の場、SOGEN書芸塾ARC【アートクラス】の模様。

 

書道,書道教室,家具デザイン,デザイン,アート2017年2月のアートクラスでは、昨年に続き、デンマーク王立芸術

アカデミーに学ばれた、世界的家具デザイナー・松岡智之さんより
感情とカタチ-Ⅱ』をテーマに、人間の持つさまざまな感情を
いかにカタチにして表していくかというアートワークショップを行って

いただきました。

 

昨年度は紙粘土と書による立体作品の制作ワークを行い、

松岡さんもビックリの書芸による造形作品が沢山生まれましたが、

今回は紙を使っての立体作品づくりということで、

もはや現代アート作品と言っても過言ではない、素晴しい

アートの数々が生まれました。

 

 

 

まずは先週、北欧を巡る旅より帰国された松岡さんより、デンマーク、フィンランド、

エストニアの建築や家具の諸事情を写真とともに紹介いただき、その後、

松岡さんの手掛けられた数々の家具デザインの画像とともに、

2次元と3次元の関係性についてレクチャーいただきました。

またレクチャー後は、クライアントとの交渉やデザイン料に関する質問も含め、

活発な質疑応答がなされ、貴重な講義がより実のあるものとなりました。

 

 

 

 

まず自分の中にあるさまざまな感情を書で半紙に書き表すという2次元のアート表現を行ったのち、

大きな紙を思い思いに、切ったり折ったり丸めたり貼り付けたりすることで感情を立体表現し、

さらにそこに書を加えることで作品を完成させました。
中にはあえて書を加えず、紙の立体表現だけで表した作品もありました。

 

 

 

 

最後にみんなで作品を鑑賞しましたが、こんな風にカタチを変えてみたら、

より面白くなるんじゃないかとか、暗くしてライティングすることで出来る影も含めて

作品にしたら面白いんじゃないかとか、さまざまなアイデアを自由に交換し合うことで、

まるで現代アートの学校のような、実に深い感性の交感の時となりました。

どれ一つとっても似たものがない、まさにオリジナルアートの世界・・・

みなさんの感性と創造力に脱帽です。

 

 

 

今回のアートワークで生まれた全作品を以下のFACEBOOK・ARCページで紹介しています。

とても面白いので、ぜひ御覧ください。
https://www.facebook.com/arctokyo/photos/?tab=album&album_id=1781234251903743
 

 

~今回のアートワークショップに寄せて~

書芸の教室で造形作品とは!と驚かれる方もおられるでしょうが、芸術やデザインは

すべて通ずるところがありますので、書というジャンルにかぎらず、
さまざまな分野から、プラスになるものを別け隔てなく吸収していくというのが

SOGEN書芸塾ARCのスタンスです。

今回は「感情とカタチ」がテーマでしたが、まさに書もまた
想いを筆線をもって造形化するところの芸術でもあることから、
2次元と3次元をつなぐ、実に意義深いワークとなりました。

松岡さん、素晴しいアートワークショップをありがとうございました!

 

 

付録:昨年度の松岡さんによるアートワークショップのの模様

https://youtu.be/HePWe6z_mZQ

 

 

~自由な芸術創造と交感の場~
アートクラスのご案内http://sogen-arc.com/art/index.html

 
アートクラスに参加している方の多くが、レッスンクラスから参加されています。
レッスンクラスのご案内http://sogen-arc.com/lesson/index.html
書道の経験を問わず、どなたでもお気軽にご参加いただけます。

 
入塾申し込み⇒http://www.sogen-arc.com/entry/index.html
SOGEN書芸塾ARC:http://www.sogen-arc.com/