兒玉達雄さん著『雪にまつわる昔話・他』のご紹介



私が小学六年生のとき、新潟県十日町市の新座から母校の千手小学校に、
児玉くんというイケメンが転校してきた。人柄もすばらしく、一躍クラスの
人気者となる。自分も仲良くなって、家にもよく遊びに行かせてもらった。


児玉くんは両親とも小学校の先生だった。
お父さんがまた渋い男前で、お母さんは若々しく、そこらの田舎の母ちゃん
には無いような眩いオーラを纏った素敵な人だった。


児玉くんは小学生のときからトランペッターで、いまもラッパを吹いている。
千手小学校のあたりを散歩していてラッパの音が聴こえたら、児玉くんだ。
彼は学習塾の名講師として長年に渡り地域に貢献しながら、トランペッターとしての
キャリアと音楽への造詣の深さを活かして、ラジオ番組(FMとおかまち)の
パーソナリティーとしても活躍している。
だいたい音楽家はエロいものだ。彼は自分にとって、エロ談義から人生論まで
何でも語り合える、無二の親友なのである。



前置きが長くなったが、その児玉くんのお父さんの兒玉達雄さんが、90歳を迎え
られたのを機に、このたび『雪にまつわる昔話・他』という本を出版された。
ライフワークとして、奥さんと二人三脚で蒐集研究してきた地域に伝わる昔話を
まとめ上げた珠玉の一冊。


題字は俳句を趣味としていた私の父が一方ならぬお世話になった、地域の誇る俳人、
高崎正風氏の手になるもので、一見何気ない字のように見えるが、なかなかこう
親しみやすくサラッと書けるものではなく、さすがである。
表紙と裏表紙の風情ある挿絵は北村フミ子氏によるもの。



児玉達雄 雪にまつわる昔話 十日町 妻有 民話
児玉達雄 雪にまつわる昔話 十日町 妻有 民話



昔は神様も妖怪も、みな当たり前のように人々の暮らしの中に棲んでいた。
昔話の中で、神仏や妖怪や動植物が、地域の人たちと普通に方言で喋り合ってる
ところが、神仏自然と心を通わせていた古き良き時代を彷彿させ、何か懐かしく
ホッコリとした気持ちにさせてくれる。



収録された54篇のうち、「弥三郎婆さ」は別格として、自分が最も心打たれたのは、
早乙女地蔵」。短い語りの中で、まるで映画のシーンをフラッシュバックで
見ているかのような臨場感にあふれており、思わず涙ぐまされた。
夜這いの話まで入れたのは達見。どんな話かは、読んでのおたのしみ♪



地元の各紙でもすでに広く紹介されており、目にされた方々も多いと思いますが、
十日町新聞の紹介記事に寄せた兒玉達雄さんご本人の言葉に強く胸を打たれる
ところがあったので、ここにご紹介させていただき、出版のお祝いと本書推薦の辞
とさせていただきます。




-卒寿を迎えて-


華やかな米寿を終えて


卒寿を迎えた


九十歳 何がめでたい


昔は夢や未来があった


今は死への序曲がなる


行雲流水 限りある命



白寿は指折り数えたが


天寿でよしとわりきって


自著「雪にまつわる昔話」


一冊をこの世に残し


ありがとうの心忘れず


ポックリ死にてえなあ


妻が待っている




令和元年9月8日


兒玉達雄



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