「女」に想う

 
女2.888漢字には「」のつく字が数多く見られます。
これは古代中国において、女の存在がいかに重視されていたか
を示すものと言えるでしょう。
 

女にシャーマンとしての霊力を見た古代人は、神事にまつわる
事柄を表す文字の多くに「女」を用いました。

 
たとえば、「」は女が箒を持つ様を表していますが、これは
掃除婦といった意味ではなく、その原義は霊廟を掃き清め、
占いを行い、ときには数万の兵をも動かす神託を与える巫女
であったと言われます。
 

また「」は農具を祭器により清める儀式を示し、「
」「」「姿」などは、エクスタシーの中で舞い踊り、
神をたのしませ、神託を受けるといったような、神聖な意味がこめられています。

 

 
一方、「神事の語には堕落する傾向を持つものが多い。」(白川静字統』より)と言われるように、女には人を惑わし堕落させる魔性の力もあると思われていたことから、後に「女」を用いた差別的な文字もまた数多く生まれたのではないかと。たとえば、「」「」「」「」「 」といった
文字がそれに当たります。

 

女には、生み出し、未来を占い、守り、そしてときに滅ぼす、といった、神にも通ずる力がある
ということでしょうか。

 

「女」のつく文字には、現代にそぐわない差別的な文字も数多くあるとして、それらの文字を
他の文字に置き変えていくことを提案している人もいます。
現代において、私たちが日常的に使用している文字は、長い歴史の中で淘汰されてきたものですので、
一朝一夕に変えられるものではないでしょうが、字義を思い起こし、現代にふさわしい文字を
新たに生み出し伝えていく努力をしていくこともまた、大事な文化活動の一つと言えるのかも
しれません。

 

そういったことを踏まえたうえで、文字による書表現についてあらためて考えてみたときに、
古代から今に伝わる漢字の字義を書で表現するといったことはもちろんのこと、そこに留まらず、
漢字を生み出した古代の人たちがそうしたように、今に生きる自分の想いやイメージを作品に
込める中で、命あるカタチと意味とを新たに創り出していくことには、芸術的にも文化的にも
価値ある行い
であると言えるのではないかと思います。

 

以上、12月のSOGEN書芸塾で、「女」のつく文字をテーマに創作した際の
レクチャーをまとめてみました。
SOGEN書芸塾は、書を通した芸術体験と交流を主眼としていますが、
こうした芸術文化に関する解説も、ときにマジメに!(笑)やってます。

 

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