石見京子「一閑張り展」に想う

 
6 (800x600)SOGEN書芸塾ARC・スペシャルクラス塾生の石見京子
一閑張り
による個展を開いている。
一閑張りは先のブログでも紹介した通り、竹篭に和紙を貼り、
その上から柿渋を塗った工芸品で、今回の展覧では
書も生かしたバッグや花入れが勢ぞろいで出迎えてくれ、
楽しめるものとなっている。

 

「先生にダメ出しされた書作品をコラージュして作り
ました。」とは彼女の弁。
なるほど、全体としてはいま一歩の作品でも、こういう
生かし方があるわけだ。
失敗作も、ものによっては捨てずに取っておいた方がいい。
 
彼女は絵手紙作家でもあることから書画にあそび心があり、それが一閑張りにもよく
表れているように思う。
書のアレンジもほどよく心地いい。書家などにやらせると、書を見てほしいという思いが強すぎて、
とかく嫌味になりがちなところを、チラリと見せて惹きつけるあたりに、書芸による鍛錬が
生きている。

 
 
1 (600x800)

さて、ここからちょっと突っ込んだ話になる。
 
彼女の作品は、美術品として眺めているだけのものではなく、
実用品であるところがポイントで、そうした場合には、

芸術作品としての高尚さや奥深さよりも、親しみやすさが
大事になる。
たとえば、良寛や棟方志功による直筆の一閑張りなどがもし
あったとしたら、それを実用品として使う人はまずおらず、
お宝として大事にしまっておくことだろう。
 
何が言いたいかというと、いまの彼女の作品だから、気軽に
実用品として使えるところがあるのであって、もし美術品
としての値打ちがあまりに高くなってしまうと、実用からは
遠ざかっていくことになる、ということだ。
 
書のクオリティーを上げていくことで、書を用いた一閑張り
作品の美術性はさらに高まっていくことだろう。
だから、彼女がダメ出しされた書を作品に使ったことは、本人が意識したかどうかは別にして、
作品の美術性をほどよく抑え、親しみやすいものにすることに繋がっているようにも思われる。
もちろん、そうは言っても彼女の一閑張り作品の美術性は相当なもので、今後の展開が楽しみ
である。

 
書芸術としての奥深さをひたすら求めていく、という行き方がある一方で、あえてそういった
方向に突き詰めずに書を生かす、という趣向
もあるのだという、ちょっと面白いことに
気づかされたので、書き留めてみた。

 

 
以下のfacebookページで、本展の模様がご覧いただけます。
石見京子個展 「一閑張り展」 in 大崎ウエストギャラリー開催中!
 
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.811355855558259.1073741855.199917180035466&type=1

 
 
書芸アーティストへの登竜門~SOGEN書芸塾ARC~

http://www.hiranosogen.jp/arc/index.html