ダンスは書芸に通ず〜笠井瑞丈、上村なおかダンス公演に想う〜

 

 

SOGEN書芸塾でもスペシャルワークを何度か行っていただいた

ことのある世界的ダンサー上村(うえむら)なおかさんと

笠井瑞丈(みつたけ)さん夫婦によるダンス公演を観る。

 
この二人のダンスは今まで何度か観せてもらい、そのたびに

鮮烈なカタルシスを憶えてきたが、今回は夫婦が夫婦を演じる

という趣向での3名の振付師による実にユーモラスな舞台で楽しめた。

 

 

 

 
ダンスは書芸に通ずる。
 
上村さんのダンスが好きなのは、こんなに身体が動きます

といった風に身体能力を見せ付ける部類のダンスではなく、

彼女が手足を少し動かしただけで場の空気が変容するほど、

深い精神性と魂とに根ざした自然にして必然の動きが

見て取れるからだ。

もちろんそれも、どんな動きも出来るように鍛錬した上での

ことであり、書の達人が線一本書いただけで場の空気が

変わるのと同じ道理だろう。

 
 
金沢出身の上村さんは、5歳でバレエを始めたが、

みんながすぐに上手くなるのに、自分はちっとも出来なくて、

それで長続きした、といったことを書芸塾で語ってくれた。

 

器用な人はすぐに出来てしまうから飽きも早い。

不器用な人のほうが、しぶとくやり続けることで

大成していくところがあるのだろう。

かく言う自分も不器用で字が下手クソだからこそ、
飽くことなく書を続けてきたところがあるように思う。

 

イチローが「若い頃の自分に、こうやればもっと要領よく

出来るのに、と教えてやりたい気もするけど、自分で

迷いながら試行錯誤してきたことが全て糧になって

今の自分があるんで、やっぱり教えないほうがいいと思う」

といったことを語っていたけど、それもまた同じだなと。

 

 
人から教えてもらったノウハウよりも、自分で気付き、

身に付けていったもののほうが、遥かに自分の血肉と

なっていくのは、なんの世界でも同じなのだと思う。

 

 

 

 

話が飛んだけど、笠井瑞丈、上村なおかのダンスは、

日本の、いや世界の宝であり、無形文化財。

観ることが文化財の保護と発展にも繋がる。
ということで、今回の公演は終わったけど、

今後ともぜひ、彼らの活躍にご注目いただきたい。

 

 

 

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