言葉 (書道家/書家SOGEN blogバックナンバ〜 2006.12.12 投稿 059)

 
 
言葉」とは言の端(は)ってことらしい。

ということは、「言葉」の表すところは人の思いの端っこの一部分、
ということになるのかもしれない。

そして言葉では伝えられない何かを伝えるために、絵、書、彫刻、

音楽、舞踏といった、さまざまな芸術表現がこの世に生まれたのだろう。

 

だがそうは言っても、言葉の力は半端ではなく大きい。

言葉には「言霊」がある。

言葉一つで、人は人に惹き付けられもすれば、遠ざかりもする。

 
「ア~ウ~」と言いながら、手ぶり身ぶりで意志を伝え合っていた原始人が、
言葉を得たときの感動は、ひとしおだったのではないだろうか。

言葉を得たことによって、人はそのコミュニケーション能力を大幅に拡大し、
互いに意志をスムースに伝達しあう中で進化発展してきた。

 

だが一方で、言葉による誤解が、人と人、国と国とを遠ざけてきた歴史がある。

自分自身、いまは疎遠になっているが、もし言葉が話せなかったなら誤解も生まれず、
親しい関係が続いていたであろうと思う人も、少なからずいる。

北野武監督の『あの夏いちばん静かな海』という映画がある。

若い男女の聾唖者の恋物語・・・言葉を話せないがゆえに、よけいに

二人の純粋な思いが伝わってくるように思われる。

 
 

話は戻るが、言葉がなかったら、今もいい関係でいられたはずの友がいたと言った。

そう思うと、つい言葉を発することに臆病になりがちだが、

一方で言葉によって築かれた多くの絆があることを思えば、

やはり誤解を恐れずに言葉によって思いを伝えることの大切さを

思わずにはいられない。

 

ふだん何気なく使っているが、言葉の持つ力は大きい。

言葉に臆病になることなく、されど言葉を軽んじることもなく、

過ごしていきたいと思う。

 

 

 

 

書道家/書家 SOGEN / 平野壮弦

 

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