コントラバシスト・齋藤徹さんとの出会いは4年ほど前のこと。
そのインプロビゼーション(即興演奏)に衝撃を受け、買ったCDを擦り切れるほど聴いた。
そこには宇宙があり、太古からの生命の記憶があり、万物の生と死があり、嘆きと希望がある。
徹さんは自分の遥か先をゆく人ではあるが、底に流れる想いに共感するところ多く、
その後、音楽と書によるコラボレーションイベントやワークショップをともにさせていた
だいたり、SOGEN書芸塾ARCでも、音と書によるワークショップを開いていただいたりと、
ありがたいことに、折に触れてご一緒させていただいている。
世界を股にかける超一流の演奏家でありながら、徹さんは聴衆が10人の
小さなステージでも同じように心を尽くす。
何がそこまで駆り立てるのか、徹さんに伺ったことがある。
「死でしょう。」とひと言。ごく若い時分から常に「死」を意識しているのだという。
そこには、そのうち自分も死ぬんだから今をがんばろう、というだけのことではなく、
あらゆる生命の死を強く意識することで、逆に人間の尊厳やこの宇宙に生きることの
意味を問うといった姿勢が感じられる。
その徹さんが、いま、満を持して、『ユーラシアンエコーズⅡ』という一大イベントを
プロデュースしている。
日韓の一流の演奏家にヨーロッパの世界的ダンサーが加わり、壮大なユーラシアの命の潮流を
奏でることになる。
このイベントのDMに徹さんが次のようなコメントを寄せている。
21年前に開いた「ユーラシアン弦打エコーズ」は、「自分は何者なのだろう」という若い
問いを音楽で考えてみようという試行錯誤の末に辿り着いた一つの企画でした。
新しい情報を外に求めていくのではなく自分の中の記憶の層を探ろうと言うことでもありました。
もちろん解決したわけではありませんが、いくつか見えてきたものがありました。
伝統とは異端と異端が繋がったものであり、現代に直接繋がるものであること(中略)。
インプロビゼーションもその記憶に働きかける方法とも言えます。
「新しい」ことが大事なのではありません。(中略)
「今・ここ・私」をキッチリ刻印することで、「今でもなく・ここでもなく・私でもない」
へ至るという進展を夢見ています。
おそらく、生涯二度と生で視聴することのできないであろう一大コンサート。
四谷区民ホールにて、8月8日(木)午後7時開演。
残席、残りわずか。ぜひご予約をお奨めします。
『ユーラシアンエコーズⅡ』のご案内
http://travessiart.com/%e3%83%a6%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%82%b7%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%80%80%e3%82%a8%e3%82%b3%e3%83%bc%e3%82%ba%e3%80%80%e7%ac%ac%ef%bc%92%e7%ab%a0/
『ユーラシアンエコーズⅡ』紹介ダイジェスト動画 (こちら、ぜひご覧ください!)
http://www.youtube.com/watch?v=20FA3w28Ki4
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