夢や目標は実現するためにある、というのがふつうの考え方ですが、
夢や目標は、いまこの瞬間を生きるためにある、というのが私の考えです。
目標を立て、その実現に向けて努力することは素晴らしい。
そしてそれが実現できたなら、なお素晴らしいにちがいありません。
また世の中には、生き残るために、どうしても達成しなければならない目標
といったものもあるでしょう。
ただ、もしその目標のために、いまこの瞬間を虚しくしているとしたら、
本末転倒ではないかと。
たとえ5年後、10年後の目標を立てたとしても、人生どうなるか分からない、
もしかしたら明日には死ぬかもしれないのです。
「選択に迷ったときには、もし明日死んじゃうとしたら、自分はどっちを
選ぶだろうかと考える」と、私の友人が言っていました。
いちごショートにしようか、モンブランにしようか、そんな些細な選択でさえも
だそうです・笑
またある友人は、「何かを選択しなければならないときには、必ず大変な
ほうを選ぶようにしている」と言いました。
そこには、もし明日死んでしまうとしても、その瞬間まで自分を成長させたい
という想いがあるように思います。
岡本太郎が「きのうはどうだったとか、明日はどうなるんだろうか、
なんて考えてちゃダメなんで、いまこの瞬間に燃え上がって生きるんだ。
人間には常に二つの選択肢がある。道徳的、常識的な安全な道と、
ここを行ったら死ぬんじゃないか、という危険な道が。
そこで私は迷わず危険な道のほうを選ぶ。」と語ったのも、
同じことなんじゃないかと思います。
親も学校も、そして世間も、子どもたちに、「将来のことをよく考えて、目標を
持って計画的に生活しなさい。」といったことを、なんの疑いもなく押しつけて、
安全な道に導くことこそが立派な教育だと思い込んでいるところはないでしょうか。
そしてそれに馴らされた子どもたちが、「ああ、そうか」と思って、
親や教師の期待通りに進学し、就職し、社会人として立派に生活しながら、
逆に自分自身をどんどん虚しくしていってしまってはいないか。
夢や目標なんて要らない、計画なんか立てないほうがいいと言っている
わけではありません。
夢も目標も、いまこの瞬間を生きるためにこそ生かそう、ということなのです。
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