昔、将棋にはまり、一時、千駄ヶ谷にある日本将棋連盟会館に通いつめた
ことがありました。棋力はアマの3段くらい。
羽生善治名人は「将棋は芸術だ」と言いましたが、その通りだと思います。
スーパーコンピューターでも計算が追いつかない指し手の宇宙を、
直感で読み解いていくのですから・・・
書も、直感を通して、無限の紙面に無限の宇宙を生み出していく芸術です。
そんなこともあって、将棋と書は近いものだと、ずっと思っていました。
一手間違えると形勢が逆転するところも似ています。
書も一筆一筆が勝負で、気の抜けたような線が一本でもあるといけない・・・
これまで自分は、「書はあそびだ」と言いながらも、そんな緊張感の中で
作品を書いていたように思います。
ところが最近、作品を書くときの心境が大きく変わったのを感じています。
一筆も失敗は許されない、といった緊張感から解放されて、筆や墨によって
織り成される紙面の宇宙にあそぶなら、そこに失敗は無い・・・
私は囲碁はよく知らないのですが、もしかしたら、これは、将棋を指すような
書きぶりから、囲碁を打つような書きぶりに変わってきたのではないかと・・・
囲碁は、陣地の取り合いなので、ここで負けても向こうで取り返す、
ということができます。
そういった意味で、一手間違ったらもうお仕舞い、という世界観から、
トータルで勝てばよい、という世界観へと変わった、と言えるのかもしれません。
もちろん、芸術は相手のいる勝負ごとではありませんから、誰の目にも
はっきりと分かるような勝負がつくわけではありません。
その上で、あえて言うならば、芸術家にとっての勝ちとは、
生命力のある作品、宇宙に繋がるような、広く深い作品が生まれたとき、
ということになるのだろうと思います。
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