書芸家(書道家)SOGENの寝言
先日、北京オリンピックをテレビで見ながら、ふと思ったことがあった。
スポーツってのは種目にかぎらず、重力との闘いなんだと・・・
いかに速く走るか、いかに高く飛ぶか、いかに重いものを持ち上げるか・・・
もちろん敵は対戦相手にはちがいないけれど、競技者にとっての一番の敵は、
実は重力なんじゃないか。
球技だって、ある意味、重力との闘いなわけだ・・・
もし地球が無重力なら、今のような形のスポーツは生まれてなかったはず・・・
昔、ビートたけしが『死ぬための生き方』という著書の中で、
「重力に縛られていること自体が、人間にとっての一番の地獄かもしれない」
というようなことを書いていた。そのときは妙なことを言うもんだな、
くらいにしか思わなかったけれど、いま思えば、もしかしたらそれは、
この世界の核心をついた言葉だったのかもしれない。
やっぱ、たけし、天才だな!笑
でも、また思うわけです。
裏を返せば、重力があるおかげで、今の人間社会のさまざまな物事が
発展してきたわけでね・・・この世のさまざまな建築物や機械も、
もし重力がなかったら生まれていなかっただろうし、今のスポーツだって
なかったはず・・・そしてもしかしたら、人間の色々な思いや感情さえも、
重力があるせいで生まれているのかもしれない・・・
そんな風に考えると、重力はたしかに人間にとって「重にくけれ」だし、
ビートたけしの言うように一番の不幸の素なのかもしれないけれど、
そのおかげで生み出されているものが山のようにあることを思うと、
最大の不幸や辛苦は、裏を返せば、人間にとって最大の幸福に
つながるものなのかもしれません。
さまざまな障害があるからこそ、何とかそれを乗り越えようと奮闘する・・・
それは宇宙から見たら、ちっぽけな蟻のアガキのように見えるかもしれないけれど、
そのあがきの中からこそ、人としてのほんとうの美しさや輝きが
生まれてくるように思います。
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